岡本和行について

Kazuyuki Okamoto - 岡本和行

photographer

 
 
 
洗練された感性と繊細なカメラワークで、主にファッション写真で名を馳せる。その傍ら、北海道内の美術館の収蔵品や図録の撮影に長く携わる。なかでも、光の微妙な計算が求められるガラス作品の撮影は独壇場で、エミール・ガレの作品の撮影によって、その実力が美術界に伝播する。2002年頃からライフワークとして「花」を本格的に撮影。

作品集

Photo Collection

「花の一生は音楽だ」

編集会議での言葉が写真集「花すがた」のコンセプトになりました。そう思って撮っていた訳ではないのですが、なるほどと思いました。花は短命です。だからこそ、どの花も美しく咲き誇るのでしょう。ほんの一瞬のクライマックスに向けて、花はメロディーを奏でリズムを刻んでいるように思えるのです。そんな花たちを五つのカテゴリーに分けて編集しました。お好きな音楽を聞きながらこの写真集をご覧いただければ嬉しいです。

 
 
2015年 写真集「花すがた」北海道新聞社

「花を愛する人へ、そして母へ。」

あの日、僕が撮った花の隣にいた花は、
その後どうしただろうと考えることがある。
わたしも撮ってとささやいていたかもしれないのに、
そのときの僕には声が聞こえなかった。
 
置き去りにして帰ってきてしまった花が
この写真集に掲載された花何十倍、何百倍もある。
何かを選んだ時点で、それ以外の多くを捨てている。
生きるというのと同じだなと、思ったりもする。
 
この写真集は、僕が花を撮り続けた5年間のA面。
B面は、ここに姿を現さない花たちのもとにあることを
想像しながら、ページをめくってください。
それは、A面の花たちの願いでもあるはずです。
 
 

 
2007年 写真集「花美」共同文化社